山東京伝や恋川春町らで世を沸かせ、歌麿を磨きあげ写楽を産み落とした江戸随一の出版人・蔦屋重三郎(蔦重)。
出版者であり編集者であり流通業者であると同時に、流行を仕掛け情報を発信する辣腕メディアプロデューサーでもある。
そして何より、新しい才能を見出し育てあげて世に出し、江戸の日本の文化を変えた巨大な創造者でもあった。
時に為政者の弾圧にあいつつ「世をひっくり返す」作品を問いつづけた稀代の男の波乱の生涯を、江戸の粋と穿ちが息づく文体で描き切った渾身の時代小説!
■著者略歴
作家。1960年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。人間の「果てなき渇望」を通底テーマに、さまざまなモチーフの作品を発表している。文芸作品に、江戸化政期の浮世絵師渓斎英泉の生き様を描いた『絵師の魂 渓斎英泉』(草思社)、新島襄と徳富蘇峰の師弟愛を描く『ジョーの夢』(講談社)、理想の小学校設立に奔走する若者たちが主人公の『エデュケーション』(新潮社)など。デビュー作『果てなき渇望』で文藝春秋ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞および文春ベスト・スポーツノンフィクション第1位を獲得、『フィリピデスの懊悩』(『速すぎたランナー』に改題して単行本に)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。ほかに『うまい日本酒をつくる人たち』『吉本興業の正体』(ともに草思社)など多数。本作『稀代の本屋 蔦屋重三郎』は著者初の江戸が舞台の文芸作品である。
■書誌情報
・発行:草思社
・発行日:2018年
・単行本 / 485ページ