嶋田直哉『荷風と玉の井 「ぬけられます」の修辞学』
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嶋田直哉『荷風と玉の井 「ぬけられます」の修辞学』

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永井荷風の文学世界でとりわけ有名なのは『墨東綺譚』と玉の井である。「赤線玉の井、ぬけられます」として知られるが、実は赤線ではない。赤線は公娼だが、私娼、イリーガルな売春婦の街なのだ。荷風が最初に訪れた年には、玉の井バラバラ殺人事件が起こり、時に「魔窟」とも呼ばれた街に荷風は足繁く通い、ルポ文学のような形で物語を生み出した。それはどうしてなのか。そんな場所を描きながら、新聞小説として、木村荘八の挿絵とともに知られる荷風と玉の井。明治大学で近代文学を講じる若手研究者、嶋田直哉がその荷風と玉の井に注目し、『墨東綺譚』から『断腸亭日乗』と『寺じまの記』などを含めて政治学、図像学、地政学などのこれまでにない視点で論じて、荷風と玉の井の秘密を解き明かす。 ■目次 第1章 永井荷風の「復活」―『つゆのあとさき』と女給 第2章 ヒモと金の“物語”―『ひかげの花』と私娼 第3章 『墨東奇譚』の読まれ方―研究史概観 第4章 玉の井への道程―『断腸亭日乗』と『寺じまの記』を読む 第5章 玉の井の政治学―消えたラビリンス 第6章 玉の井の図像学―「ぬけられます」からぬけでるために 第7章 玉の井の地政学―永井荷風と地図 第8章 「報告文学」の季節―『墨東奇譚』の受容から ■著者略歴 嶋田直哉 1971年生まれ。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程中退。フェリス女学院中学校・高等学校教諭、志學館大学人間関係学部准教授を経て、明治大学政治経済学部准教授。博士(文学)。専攻は日本近代文学・現代演劇批判。 ■書誌情報 ・発行:新曜社 ・発行日:2019年 ・単行本 / 256ページ