吉見義明『買春する帝国 日本軍「慰安婦」問題の基底』
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吉見義明『買春する帝国 日本軍「慰安婦」問題の基底』

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それぞれの時代の性売買に関する世界的傾向がどのように受け止められて日本独自のシステム・構造がつくり出されていったのか。明治政府が違法としたはずの人身取引(人身売買)によって支えられていた近代日本の公娼制が、帝国の形成、拡大とともに変容し、最終的に日本軍「慰安婦」制度を生み出すに至るまでの歴史をたどる。 ■目次 第Ⅰ章 人身売買禁止から公娼制へ――幕末~一八九四年  一 近世から近代へ   近世の遊廓/遊女の自負と非差別/性買売における世界的傾向/性病検査(検梅)の強制  二 芸娼妓解放令と貸座敷制度の開始   貸座敷・娼妓・芸妓制度  三 北海道での遊廓の拡大  四 沖縄での遊廓の公認   娼妓取締規則に対する抵抗/芸娼妓貸座敷規則の布達  五 軍備拡張による遊廓の設置・拡大   陸軍と遊廓/海軍と遊廓/群馬県の廃娼と軍隊  六 朝鮮での遊廓の設置   釜山・元山の公娼制/仁川・ソウルの料理店・芸妓制/榎本外相による方針転換  七 一八八五年の廃娼・存娼論争  【コラム】1 森鴎外の性買売論 第Ⅱ章 買春帝国の成立―― 一八九四年~一九〇五年  一 自由廃業運動から娼妓取締規則へ   娼妓取締規則の公布  二 軍備拡張と国内遊廓の拡大   陸軍と遊廓/海軍と遊廓  三 朝鮮での性買売施設の拡大  四 台湾への公娼制の導入   公娼制への移行/台湾公娼制初期の特徴/公娼制を必要とする理由/軍専用の性的施設  五 中国大陸と東南アジアへの進出  【コラム】2 芸妓・娼妓・酌婦の異同について 第Ⅲ章 買春帝国の確立―― 一九〇五年~一九一八年  国際的人身取引禁止の新傾向  一 軍備拡張と国内遊廓の拡大   陸軍と遊廓/海軍と遊廓  二 朝鮮での性買売の拡大   第一次世界大戦の影響  三 台湾での性買売の拡大  四 南樺太での性買売の開始  五 中国での性買売の拡大   植民地・租借地等からの性買売方式の移入  六 海外「売淫婦」取締りの運動  七 シベリア戦争と性買売  【コラム】3 飛田遊廓の設置問題 第Ⅳ章 買春帝国の変容―― 一九一九年~一九三一年  一 日本内地の性買売の推移   廃娼運動と存娼運動  二 国際連盟と人身取引禁止運動   女性児童取引禁止諸条約への加盟問題/枢密院での審議  三 廃娼運動と存娼運動の対抗   帝国議会での公娼制の審議/内務省による公娼制度改革の検討/安部磯雄・星島二郎と廃娼運動/存娼派議員の議論/府県議会での廃娼決議積み上げ運動  四 東南アジア・香港での性売女性の廃業と帰国  五 中国の状況   満洲/中国本土  六 朝鮮・台湾・南樺太・南洋群島の状況   朝鮮/台湾/南樺太/委任統治領南洋群島  【コラム】4 布施辰治と自由廃業運動 第Ⅴ章 大恐慌・満洲事変下の買春帝国―― 一九三一年~一九三七年  一 国際連盟調査団の調査と勧告   調査の開始/調査団の勧告/紹介業者の問題/擯夫の処罰問題と成年女性取引禁止条約  二 国際連盟調査団の勧告に対する反応   売笑問題対策協議会の反応/貸座敷業者と帝国議会/内務省の廃娼案  三 朝鮮・台湾の状況  四 中国での性買売の拡大   満洲/華北の状況/華中・華南 第Ⅵ章 買春帝国の極限化―― 一九三七年~一九四五年  一 日中戦争下の国内状況   アジア太平洋戦争下の状況  二 日本軍慰安婦問題と女性の動員   日本内地から/朝鮮から/台湾から/中国の状況/華北/華中/華南/アジア太平洋戦争下/軍慰安所と貸座敷の異同  【コラム】5 久布白落実と廃娼運動 第Ⅶ章 公娼制廃止から売春防止法体制へ―― 一九四五年~一九五八年  一 連合国軍慰安所の設置  二 公娼制廃止指令とその骨抜化  三 売春防止法体制へ   売春等処罰法案をめぐって/前借金無効の最高裁判決/売春防止法の成立 ■著者 吉見義明(よしみ よしあき)1946年生まれ.1970年東京大学文学部卒業。1972年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。中央大学名誉教授。日本近現代史。主編著に,『焼跡からのデモクラシー 草の根の占領期体験(上下)』(岩波現代全書、2014年)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(岩波ブックレット、2010年)、『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店,2004年)、『従軍慰安婦』(岩波新書、1995年)、『草の根のファシズム 日本民衆の戦争体験』(東京大学出版会、1987年)、『従軍慰安婦資料集』(大月書店、1992年)など。 ■書誌情報 ・著者:吉見義明 ・発行:岩波書店 ・発行日:2019年 ・四六版 / 282ページ