関根虎洸『遊廓に泊まる』
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関根虎洸『遊廓に泊まる』

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昭和33年、売春防止法施行により沖縄県を除く国内の売春地帯は消滅した。同法施行からちょうど60年が経過した今も、実はかつての妓楼は旅館業としてわずかに姿を留めている── 本書は、かつて国内に存在した元妓楼が旅館に転業した今も営業している宿泊可能な「泊まれる遊廓」を取材したもの。  昭和33年に施行が迫る売防法を控えて、業者を転業を余儀なくされた業者は全体の約28%、約5,300名が旅館業に転業した。転業先の業種としては旅館が最も多い。 つまり、元妓楼の出自を持つ旅館は決して珍しい存在ではなかったのである。それが今や全国的にごく僅かとなり、わずか60年の間に1%にまで減少していることが推定される。 本書が消え入ろうとする元妓楼の今を活写した記録として、いかに貴重であるか、強調したい。  本書の目次を眺め、気がついた読者もおられたかもしれないが、少なくない地点が日本海側に面している都市である。高度成長期に「国土改造」の大号令のもと前時代的なものが壊され、幸運にも今こうして元妓楼旅館が残されている日本海側は、その開発から後れを取り、破壊を免れたためではなかったか。遊廓は産業史の一部であり、その浮き沈みやまだらな格差の跡さえ窺い知ることができる。 ■目次 ・新むつ旅館 青森県八戸市 ・中村旅館 青森県黒石市 ・高山旅館 青森県八戸市 ・松山旅館 山形県酒田市 ・錦旅館 秋田県由利本荘市 ・金沢屋旅館 新潟県佐渡市 ・旅館福田 新潟県新潟市 ・陽月 石川県金沢市 ・宿や平岩 京都市下京区 ・多津美旅館 京都府八幡市 ・静観荘 奈良県奈良市 ・麻吉旅館 三重県伊勢市 ・一楽旅館 広島県広島市 ・芳和荘 山口県萩市 ・八大胡同はいま 中国・北京 ・幻の旧満州・遊廓跡を行く 中国・大連 ・焼肉「江畑」 京都市上京区 ・飛田新地「鯛よし百番」 大阪市西成区 ・生駒山宝山寺の精進落とし 奈良県生駒市 ・東陽町の転業アパート 洲崎パラダイスの夢の跡 ・インタビュー 遊廓に生まれて 解説(文=渡辺豪) ■著者略歴 関根虎洸(せきねここう)フリーカメラマン。1968年埼玉県生まれ。元プロボクサー。2001年『DOG&GOD』(情報センター出版局)、2012年『Chelsea・桐谷健太』(ワニブックス)他。2014年、旧満州に残る遊廓跡を訪ねたことをきっかけに遊廓建築の撮影を開始。 ■書誌情報 ・編者:関根虎洸 ・発行:新潮社 ・発行日:平成30年 ・ B5判変型 / 125ページ / カラー