
軍隊あるところ遊廓あり、遊廓あるところ軍隊あり──
赤線は戦後に無から生じたのではなく、戦中各地に設置されていた慰安所(≒遊廓)との連続性がある。戦中に設置された慰安所(≒遊廓)がどのように戦後の赤線につながったのか。
各地の軍駐屯地と遊廓設置地との相関関係や、その他私娼(芸妓・酌婦・私娼)との関わり、軍需工業ではたらく産業戦士のために設置された慰安所についても解説。
軍隊の設置によって鉄道網などのインフラ整備が進み、地域の風景は一変した。軍事援護・慰霊などを通して人々の生活に軍事が浸透した実態や、空襲で壊滅する軍都の姿を描き出す。日常のなかに軍隊が存在した意味を問う。
■目次(遊廓関連部分を抜粋)
・遊廓・慰安所…林 博史
・近代日本の性売買―遊廓・公娼制
・軍隊と遊廓
・戦時下の遊廓と慰安所―軍慰安所と産業慰安所
・戦後―公娼制の復活と廃止
■著者
林博史 編
原田敬一 編
山本和重 編
■書誌情報
・編者:林博史/原田敬一/山本和重
・発行:吉川弘文館
・発行日:平成27年
・新書版 / 250ページ / モノクロ