占領期の地方雑誌―プランゲ文庫で辿る検閲の足跡
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占領期の地方雑誌―プランゲ文庫で辿る検閲の足跡

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第二次大戦後の占領期、GHQは中央のみならず地方の出版物も検閲の対象とした。「実業之富山」編集部は、検閲資料が保管されている米国メリーランド大学プランゲ文庫を訪れ、60年前自らが受けた検閲の実態解明に挑んだ。そこから浮かび上がってきたのは、異国軍による事前検閲におびやかされる発行者の姿である。その一方で、新生日本に向けて多くのメディアが発刊され、地方ではかつてない雑誌文化の活況がみられた。 戦後、地方でおびただしい数の雑誌が創刊されたが、「実業之富山」のように1号も休刊することなく同一の誌名で今日まで継続している地方誌はきわめて珍しい。 第三者による研究調査でなく、発行元自身によるGHQ検閲の実態調査という点で、他に例がない。 地方誌に対する検閲については不明な点が多いが、プランゲ文庫の検閲資料ならびにGHQ/SCAP文書をもとに真相解明を試みている。 GHQから雑誌発行者への最初のコンタクト、検閲担当部署が各県を巡回して実施していたレクチャー、事前検閲から事後検閲への移行過程、検閲に関するデータの蓄積と活用など、いくつもの新事実が明らかになる。 ■はしがき(抜粋)  本書の基本スタンスとして、取り上げたそれぞれの風景にパッと出向き、さっと写真を撮って紹介してしまうことは避けるように心がけた。その場所に足を踏み入れる時点で筆者が「観察者」になってしまうとしても、なるべくひとりでもその地で生きて、暮らしている(いた)人々にお会いし、できるだけ寄り添うように話を聞いた。 (中略)  取材中、その地で生きる人々にときに激励され、ときに叱られ、つまみ出されもしたが、、どの言葉も生きた言葉であり、ありがたかった。うしろむきにセンチメンタルに風景を味わうだけではなく、最後は明るく生きていくための糧をさせてくれる言葉ばかりであった。そんな断片も紙面から拾い読みしてくだされば、幸いである。 ■目次 ・プランゲ文庫訪問 ・検閲文書が語るもの ・CCD(民間検閲局)の活動 ・プレスコード違反 ・聯合軍郵便 ・事後検閲の呪縛 ・文芸復興 ・映画とダンス ・学校誌 ・職場・地域団体の雑誌 ・「実業之富山」とその周辺 ・占領期の検閲を振り返る ・補遺 GHQ関係者が語る占領期の富山 元CIC隊長 ハリー・K・フクハラ氏 ・インタビュー プランゲ文庫で庶民の足跡がわかる(山本武利早稲田大学政経学部教授) ■書誌情報 ・著者:実業之富山社 ・発行日:2007/12 ・発行者:世界文化社 ・仕様:B6判 / 261ページ / モノクロ